2022年聴いた録〜シングル・EP編〜

 昨年やった、1年で聴いた新譜を記録しておくやつを今年もやろうと思った。

 思った、というのはもう心が折れかけているのである。なんとかシングル・EPはまとめてみたがすごく時間かかった。

 アルバム編もやったらもうどエラいことになるかもしれない。いや、でも、なんとか元気があるときにやろうと思います。何より自分であとから見返して「このときこれ聴いてたんだなあ」みたいなのがわかると楽しいので……。

 ではでは(番号は一応振ってあるけど順位とかではない。思いついた順)。

 

36.leta - 坂本龍一

・具体的に言い表すことが難しいけれど、一聴して坂本龍一のそれとわかる音の「層」づくりというものがあるような気がしている。この曲にもそれが感じられる。

 

35.Cavalcovers - black midi

Fav Track: #1 21st Century Schizoid Man

・めちゃくちゃやってる人ら、という印象を勝手に抱いていたけれど、このカヴァーには先達へのどストレートなリスペクトが表れていて好き。

 

34.Solar Editions - Green-House

Fav Track: #2 Morning Glory Waltz

・この曲で目覚めたい、という気持ちと逆に心地よすぎて二度寝しちゃうかも、の気持ちがせめぎあって結局まだアラームにはしていない。

 

33.Softly - Arlo Parks

・”break it to me”の繰り返しが耳に残る。フジロックでのアクト最高でした。

 

32.Car Therapy Sessions - Faye Webster

Fav Track: #1 Kind Of (Type of Way)

・Car Therapyってなんだろか……? 自動車療法……? クラシック楽器の絶妙なピッチ感とFayeの浮遊するヴォーカルのマッチングが心地よい。

 

31.菫 / 言葉にできない - 坂本真綾

Fav Track: #1 菫

・1サビ終わりで「岸田氏〜〜〜泣泣泣」ってなるのはまず必至として、普通に曲全体を通してよい。コードの内声の動き、ギターの使い方などツボ。

 

30.Are U Romantic? - UA

Fav Track: #2 お茶

・「お茶!」の発音で絶対「!?」ってなる。日本語を外国語っぽく発音する遊びってなんかハマる。EPとしてはいろいろなアーティストとのコラボという感じで、6曲どれも異なる音楽性に触れられて楽しい。

 

29.4EP3 - どんぐりず

Fav Track: #2 Funky Grandma

コンピューターおばあちゃんは令和の時代にファンキーおばあちゃんになって帰ってきた、かどうかはわからないが、これもタイトルで惹かれた曲。どんぐりず、フジロックでちゃんと観ればよかったな(眠くて車に帰ってしまった)。

 

28.Don't You Want Me(feat. Celine Autumn) - boy pablo

・淡々としているようで、わりとずっとコード進行がトリッキー。ヴォーカルが交代するところも好き。

 

27.もしもし - 青葉市子

・なんとやさしい音楽だろうか。映画『こちらあみ子』も名画でした。

 

26.Betsu No Jikan - 岡田拓郎

Fav Track: #4 If Sea Could Sing

・まずタイトルが好き。これだけで人間の声は入っていない曲なんだなというのがなんとなくわかる。サックスとドラムの絡みが素晴らしい。

 

25.Long Take - Seukol

Fav Track: #1 Ghost Dance

・はじめてライヴで聴いてからなんだかずっと好きな曲。スタジオ盤ならではのアレンジもおもしろい。このEPはジャケットも台湾、韓国インディー風の可愛らしさがあって好き。考えたら今年いちばんライヴに行った回数が多いバンドかもしれないな。

 

24.行方知れず - Ado

・やはり言うまでもなく椎名林檎はすごいし、Adoもやっぱりすごい。もっと言うとジャケ&MVを描いてる方はずとまよを通して知って以来、普通にファン。

 

23.メビウス - ミツメ

・一時期ベースのナカヤさんがコントラバスの練習風景を動画にしてあげていた記憶があるのだけど、コレでしょうか? 控えめながらテクニカルなリズムセクションと比較的おおらかなヴォーカル・上物の絶妙なバランスが心地よい。ミツメを好きな大きな理由のひとつです。

 

22.THE LONELIEST - Maneskin

サマソニでのアクトが絶賛されてましたね、モーネスキン。新譜も美メロのスローバラードながら、おそらくスタジアムでのライブを相当に意識しているのが伝わってくる。聴きたいもんこれフェスで。

 

21.堕天 - Creepy Nuts

・これもウッドベースが超良い味出してる。某アニメのOPだが、きちんとイヤホンしてフルで聴くといろいろな発見があっておもしろい。というかトラックがすごく作り込まれてるのだな。

 

20.秋の日に - 宮本浩次

Fav Track: #2 飾りじゃないのよ涙は

・ミヤジさんの声やっぱ好きだな〜と思いながら聴いていたら、キーが中森明菜の原曲から半音下げただけであることに気づいてしまった。音域どうなってんの。ちなみにKing Gnuのカヴァーもこのキー(F minor)だった気がする。音域どうなってんの。

 

19.With Regard to Christmas - 諭吉佳作/men

Fav Track: #3 summer C

・夏とクリスマス、という意外な取り合わせとポップな曲調の調和が印象的。でも南半球のクリスマスって夏か。

 

18.Billions - Caroline Polachek

Fav Track: #2 Long Road Home

・エレクトロニックなビートにトライバルなヴォーカルが乗っているこのテイスト、実はかなり好き(カタカナが多すぎるけどこれ以外に表現のしようがないんだ)。ジャケットはこれ、なに持ってるんだろう。来年アルバムが出るようなので今から楽しみにしている。

 

17.Sauna - Vulfpeck

・ガチガチのテクニック集団が脱力系MVとともにこういう曲を出してくるの、反則ですよね(何がだ)。実際にサウナで撮ったら楽器壊れるし、衣装だけ着てちゃんと演奏したんだと思うと笑けてくる。

 

16.都合 - 君島大空

・弾き語りで聴いたことがあるようなないような。ともあれこの度もすごく好きな曲で、こうしてどんどん音源になっていくのが嬉しい。アンビエント風の音像の曲も良いけれど、ザクザクギターが鳴る曲もまた「本領発揮」の感があって印象深い。

 

15.伸び仕草懲りて暇乞い - ずっと真夜中でいいのに。

Fav Track: #5 夜中のキスミ

・珍しくわかりやすいラブソングきたと思ったら猫目線の歌なんですってよ。どんなアイデアだ。このEPはたしかタイアップの曲が6曲中2曲とか入っていた気がするんだけど、まとまりが崩れていなくて良い。

 

14.ゲームオーバー - mei ehara

・meiさんの楽曲は半音階の使い方がとても印象的、この曲だったらイントロのギターのフレーズとか。曲自体はわりあい淡々としているというか、大きな盛り上がりをドカンと投げつけてくるタイプでは少なくともないけれど、実は巧妙なギミックが色々織り込まれていて飽きない。

 

13.Mirage Op.3 - Collective Ver. - Mirage Collective, STUTS, butaji & YONCE

・トラックのクールさもさることながら、「歌上手くなりてぇ……」と思わずにはいられない歌唱陣。butajiさんは今年2回ライヴ観た。

 

12.Hell On Earth - Circa Waves

Fav Track: #4 Sidetracked

・元々はこういうまっすぐなテンポのオルタナロックが好きだったな、と思い出させてくれる。だった、というか今も好きなんだけど。まっすぐと言いつつしっかりと内容に緩急があって聴いていて飽きない。

 

11.ニーチェ踊ってばかりの国

Fav Track: #1  ニーチェ

・下津光史の類まれなメロディメイカーとしての面が全面に出ていると思う。とにかく歌メロが綺麗だ。下津氏はおそらく相当な読書家だと踏んでいるが、果たしてニーチェはどれを読んだんだろう。

 

10.ミラーチューン - ずっと真夜中でいいのに。

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MVが過去イチ可愛い

・基本的にアッパーなナンバーながらところどころ陰のある印象があり、それがよい。ヴォーカルの切実さの為せる技か。

 

9.Cupola - cero

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立川のライヴ楽しかったな

ceroみ(?)溢れるコーラスワーク、そして妖しいピッチの電子音。不穏を不穏なまま音楽に取り入れてアクセントにすることに、本当に長けたバンドだと思う(Elephant Ghostの絶叫とか然り)。

 

8.真夏日くるり

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8分てすごいなしかし

くるりズム溢れるメロディとコードに見え隠れする、というかモロ見えのUKロックへの愛。これはビートルズのReal Loveかな。この前にリリースされた2枚もそれぞれビートルズやオアシスへのリスペクトがさりげなく示されていて愛でした。

 

7.Be Sweet(Korean Version) - Japanese Breakfast

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この色合いもひとつのノスタルジーなんだろうか

・ミシェル・ザウナーの『Hマートで泣きながら』を読みながら聴いたら、感情がグラグラになってしまって参った。ミシェルの重要なルーツである韓国とその言葉。今このヴァージョンをリリースしたことの意味を考える。

 

6.bakeru - 水いらず

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マジでこれフル尺で見たい

微分音チューニングに無機質なボーカロイドの恨み節(?)(「化かしたな」「化かされた」と歌っているらしい)が乗っかったイントロから平均律のパートに着地するときの安心感。とりも直さず私自身がキレイに均された理論の地平に安住していることの証左。聴くほどに新たな発見が増える楽曲だ。

 

5.んoon & YOSHIROTTEN

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そういえばんoonライヴ行きます楽しみ

Fav Track: #2 今夜出会えて

・テンションノートを強調したトラック、少し不思議な気持ちになる。そして「あれ? 歌わない?」と不安になりかけるギリギリのラインを攻めるヴォーカルの余白、リリックと相まってクセになる。

 

4.変わる消える(feat. mei ehara) - Cornelius

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MVの若干の謎さもまた良い

・これ作詞は坂本慎太郎なんですよね。自分得な組み合わせで期待しかしていなかったのだけど、その期待をも軽く飛び越えてきたという印象だった。すべての音が心地いい。ジャケに引っ張られすぎかもしれないけど、山奥で霧に包まれながら聴きたい。

 

3.Rainy Runway - KIRINJI

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動く絵本のようなMVだ

・他の音楽家の名前を持ち出すのは野暮かなぁと思いつつも、Donald FagenそしてSteely Danのことを思い出さずにはおれない(ご本人も影響を受けたと仰っていた記憶があるしまあよいか)。サビなんかかなりそれっぽい。どちらも大好きなのでテンション上がっちゃう。サビ終わりのシンセのフレーズでなんでか懐かしい気持ちに。

 

2.寝言の時間 - キセル

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これは生で観ました。本当によかった

Fav Track: #3 鮪に鰯

・穏やかな旋律にズシリとした手応えの詩が乗っている、そういう音楽にどうしても惹かれてしまう。辻村友晴氏の演奏するミュージックソーのサウンドがまた良。

 

1.19℃ - 君島大空

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この喫茶店も行きました。本を読むのにベストな「暗さ」。

・19℃という冷たくなく、アツアツでもない温度感を音で表すとこうなるのだろうか。ギターソロの温度までも「19℃」だと思える。どうしようもなく。