あなた「私さ、小型犬って苦手なのよ」

 

君「苦手ってどういうこと?」

 

あなた「嫌いとかじゃないんだけど、可愛すぎてダメなの」

 

君「あ」

 

あなた「キュートアグレッションって知ってる?」

 

君「うん」

 

あなた「可愛すぎるものを見ると壊したり握りつぶしたくなっちゃうっていう」

 

君「聞いたことある」

 

あなた「私たぶんそれで。小型犬とか、目の前にいると蹴っちゃいそうになるの」

 

君「うん」

 

あなた「うん」

 

君「大型犬はいいの?」

 

あなた「あ、大型犬は全然いいの。大型犬はなんなら飼おうと思ってるんだよね。子どもの成長にもいいらしいんだよ。生まれたときから一緒にいればずっと遊び相手として仲良くしてくれるし。それに犬って本能的に『守らなくちゃいけないもの』がわかるらしいから、子どもといても安心だしさ」

 

君「なるほどね。でも犬のほうが先に死んじゃうこと考えたら、ケアが必要じゃない?」

 

あなた「もちろんそれもあるけどさ。でもそれも10代ぐらいの多感な時期に命の大切さを知ることができるって意味では大事かなって」

 

「ん」

 

あなた「でも私、いちばん好きな動物って狐なんだよね。犬じゃないの、ほんとうは」

 

君「わかる! 狐いいよね。いちばんいい」

 

あなた「ね」

 

君「ね、あんたさ」

 

あなた「うん?」

 

君「大型犬飼うの、一回ちゃんと考え直したら?」

 

あなた「そうするわ」