スパムアカウント名言集(第壱巻)

 ふと思うところがあってTwitter、もといXのアカウントを公開状態にしてから3年ほどが経つ(逆にいえば、それまでは長らく非公開アカウントにしていた)。

 

 公開アカウントはやはりフォロー・フォロバがスムーズである。知人友人のほかにも、顔を合わせたことはなくともなにか趣味などに通じる部分がある人や、同じ言葉や音楽に惹かれた人などと相互フォローになったり。

いまや(言葉を選ばなければ)殺伐となりて久しいSNSの世界だが、蓋し黎明期はこのぐらいライトなノリでフォローし合っていたな、とふと思い出したりもする。

 

 もちろん、ときには招かれざる客もある。釣り目的のスパムアカウント、いわゆるエロ垢などその最たる例だ。フォローされたのを放っておけば、そのうちDMかなにかで我々を「釣り」に来る。うっかり連絡先などを返信してしまえば先方の思うツボである。当然フォローされてしまったら速攻ブロックするのが得策であろう。

 

 しかし、である。

 

 最近のスパムアカウントのbioの部分をよく見ると、意外に捻ったことが書いてあることが多いことに気づいた。ちょっと前までは「プロフ確認してみてね♡」とかなんとか、それっぽいことが書いてあっただけなのだが。

 

 そういうわけで、このところ私をフォローしてくるスパム垢に関しては、bioの文言を確認してからブロックするようにしている。そのうちコレクションができているかもしれない。下記に、そのうちのいくつかを紹介したいと思う。なお、いずれも一言一句添削なしの原文ママである。

 

バツイチの熟女、プロのモデル、友達を作るのが好き、あらゆる出会いを大切にする。

●多難な人生を過ごされてきた方のようである。時と場所がこうでなかったら、ぼくたち友達になれていたかもね。「あらゆる出会いを大切にする」、実際にそうできるかはわからずともマインドとしては見習うべきだろう。

 

私は自由な女性で自由が好きです

●主体の認識としての自由と、志向の対象としての自由を分けて考えておられる方のようである。自由な存在を自覚すると同時に自由に対する希求を改めて宣言する彼女は、自由の内在と外在というディレンマにおいて葛藤する。

 

32歳独身女性、旅行、美食が好きで、誠実な人はいつも出会うことができる

●一見して気ままな独身生活を楽しむ人物のようであるが、最後の一文はどう理解すべきであろうか。これまでの経験から導き出した「結論」なのか、或いはそうあってほしいという「希望」なのか。

 

発光は太陽の特許ではなく、あなたも輝くことができます。

●気の利いたエンカレッジメントだと思ったら、これはどうやら元ネタがあるようだ。「發光不是太陽的權力 你也可以」。出処はどうも台湾のSNSらしい。

 

 今後も印象に残ったものがあればストックしていこうと思う。