風邪じゃないときに見る夢

 正確な所在地はわからないけれど、とにかく大きな平屋建ての家に独りで寝転んで、ゲームをしていた(シルバーのゲームボーイアドバンスSPだった)。

 しばらくそうしていると呼び鈴が鳴ったので部屋着のまま出てみると、小学校5年のときの担任の先生が紙袋を持って立っている。俺は小学校を卒業してから何度か引っ越していて、先生に新しい住所は教えていなかったので、彼女がここにいるのは本当ならおかしい。だがそのことは特に気にならなかった。先生は「これ、お土産ね」と言って、俺に紙袋を渡して去っていった。

 部屋に戻って紙袋を開けると、中には「東京大学国際関係学部」と記された本が入っている(東大にそんな学部はない)。本をめくってみると内容は簡単なクロスワードやパズルで、俺はそこで「あ、もしかして東京藝大の問題集と間違えたのかな。先生も適当だなあ」となぜか納得して、1度本を閉じる。

 藝大を受けるなら実技の練習もしないとな、と思って台所に向かい、まずは包丁を用意する。次に玉ねぎを探すのだが見当たらず、差し当たり冷蔵庫を開けて野菜室を漁る。キャベツを取り出す。冷蔵庫の扉には某大手広告代理店の社名が赤い字でデカデカと記されているが、それも特に気にならない。そんなことよりもキャベツが硬すぎることの方がよほど気になった。外は薄曇りだった。

 

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↑みたいな夢をみた。ちょっとした作業の合間の、15分程度の仮眠で、である。珍しく細かいところまで覚えていたので、起きてから書き出してみたのだがまあ意味がわからない。藝大の実技試験でキャベツの切り方を見られるわけがない。し、第一俺は大学受験をしていない(高校からエスカレーターで行ける私立の大学に通っていた)から、受験のディテールなどわかるはずもない。

 大方、最近人と話したこととか読んだ漫画なんかの記憶がごった煮になっているのだろう。

 

 Youtubeなどにときどき上がっているサイケで不思議な動画のコメント欄には、決まって「インフルエンザの時にみる夢」といった類のコメントがある。そして、大体かなりの数の「いいね」がついている。ということはかなりの人が、風邪とかインフルエンザのときには意味不明でサイケな夢をみているということか。俺はあまり経験がない(=風邪をひかない。馬鹿だから)ので、これがわからない。

 俺の場合は夢などシラフのときに見るやつですら大概意味不明なのである。別にサイケではないが(上記のように、情景自体はごくごく地味である)。あらゆる思考や現象の因果関係がバラバラに切り崩され、脈絡なく連続している。し、夢の中ではそのことに特段不思議を感じていない。

 

 夢占い、なんてものもあるけれど、存在しない大学の受験勉強の夢など話されても占い師さんも困るに違いない。

 

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