La Voiture

 映画『ドライブ・マイ・カー』を鑑賞した(いい映画だったと思う)。観ながら、フランス語で「自動車」を指す言葉が女性名詞である、なんてことをふと思い出したりした。

 La voiture。人から聞いた話になるけれど、自動車が発明されてまもない頃、「車は男性が運転するもの」という印象が強かった時代の名残だという話があるそうだ。運転手の男性と対になることとして、自動車という言葉には女性が割り当てられたと。どこからツッコめばいいのかわからないような旧時代的な話だけれど、ひとつの理屈というか、覚え方にはなっているのだろう。

 

 ※実際には言語における性は生物におけるそれとは"ほぼ"関係がなく、そういうものとして覚えるように、とフランス語の先生に習った。上記の話もあくまで「説」である。

 

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ガキん頃こうゆうクルマのオモチャってワクワクしませんでしたか

 

 名詞の話はいったん置くとして、かつて自動車には(他の乗り物と比べても)特別に自分を惹きつける何かがあったなあ、と思う。今はそうでもないが、昔は車が好きだった。

 カー雑誌を毎日のようにめくっていたし、同級生の家の車種もよく覚えていたし、スーパーGTとF1も観ていた。子どもながらに「将来はああいうテクニックを持ったドライバーになりたい」などとうっすら思っていた(が、「レーシングドライバーになりたい」とまでは思わないところが私の中途半端なところである)。

 

 中学、高校と進学するにつれて関心が他に移るにつれ、あっさりと自動車のことは考えなくなった。北関東の郊外都市から首都圏に引っ越し、必ずしも車を要しない生活に移ったことも大きかっただろうが、ことさら自動車について上手に乗れるようになりたいとも欲しいとも思わなくなっていった。免許は大学3年生の間に一応取ったが、「AT限定・眼鏡等」の最弱免許である。今後限定が解除されることもないだろう。

 

 ただ、今は今で改めて、自動車について「ああ、いいな」と思うことはある。例えば、広い山沿いの道をスポーツカーがブーンとツーリングしている映像。特に鳥瞰カメラかなんかで車の斜め後方ぐらいから追っかけていく映像が好きで、ああいうのは1時間ぐらい眺めていられる。山沿いをドライブするためだけにこれから長距離ドライブの経験を積む、というのはちょっと気の遠くなる話だけれど、せめてこの3年間のペーパードライバー人生をなんらかの機会に脱したい、というのは少し思っているところである。

 

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 ちなみに自転車にはよく乗る。都内で10km程度の移動であれば自転車で済ませることも多い。しかし他人が乗っている自転車の車種やブランドはまったくわからない。

 

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