が好きである。
何もない日でも一度は外に出て家の近くを歩くし、用事がある日も(余程時間に余裕がない場合を除いて)行き先までに歩く過程を入れる。
インターネット上にはGoogle ストリートビューという便利なものがあって、有名だから説明は省くけど、謂わばこれは散歩の疑似体験である。
プライバシーに関する観点からあまりこのサービスを歓迎しない意見もあるみたいだけど(というか僕自身かつては抵抗が凄かったけど)、言ってもついつい見てしまう。
昔住んでいた街。高校の最寄り周辺。行ったこともない郊外の商店街。
距離が遠くてなかなか行けない場所の光景も、あたかもそこにいるかのような視点で見られるのが楽しい。あと、数年ごとに情報が更新されるから、しばらく行っていない土地がどんな変化を遂げているのか観察する楽しみもある。
このMVすごくないですか。
もちろん明らかにそうでない部分(地下鉄とか岩場の場面ね)もあるけど、これストリートビューのコマ撮りでできてるんですよ。
ぎこちないのに忙しない「移動」の視覚イメージにポップな打ち込みとラップなのかすらわからない捲したてるヴォーカルが絡みつき、しばらく頭から離れない。
かなり 回転 飛ばしてる 大都会
視界 一見止まってるようじゃない?
プライスレス 値段死んだ
価値観が腐ってる証拠です
歌詞もまた通して読んだらまるで意味不明なんだけど、端々を切り取ってみると映像との親和性が感じられて面白い。
ストリートビューも無料のサービスだ。プライスレス。
どこかに存在するであろう景色をコマ送りで眺めて散歩に出かけた気になっている僕は「価値観が腐ってる」んだろうか。
まあでもそれはそれでいいか、と心地よい電子ビートを聴いていると思ってしまう。