ドドメ色の約束

 約束という約束を最近していないなあ、とふと思う。

 否、役所の手続きとか、原稿の締め切りとか、家賃の支払い期日とか、こういうのは全部約束の範疇なので、約束と言うなら人生約束そのものみたいなものである。けれども、これらの「約束」たちには約束という言葉のもつ特別感というか、心躍る印象がない。たぶんあまりにも生活のなかに染みつきすぎているせいだろう。

 じゃあ「約束っぽい約束」ってなんなの、と言われたらそれはそれで難しいのだけれど。敢えてあげるなら週末に友達と会うとか、数か月前にとったライブのチケットを発券するとか、予約しておいた新譜を取りに行くとか、そういうの。

 意外と思いつくので、大丈夫そうである。