from 僕 to 私

 その日の仕事を切り上げて晩飯を仕込んでいると、手元のスマホに1通のLINEが舞い込んできた。どれどれ。

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ほぉ〜

 さて。心当たりがない。

 ゆうパックというからにはなにか通販で買ったものだろうか、なんだったか。

 初夏に注文した柴田聡子とずっと真夜中でいいのに。のレコードはもう届いているし、SUZURIのセールで買った推しのイラストレーターさんのTシャツはもっと前に届いている。他になにを買ったっけ。

 ちなみに私は滅多にAmazonで買い物をしないので(特に思想・信条からくるこだわりではなくて単に実物を見ないと落ち着かない性格なだけ)、そういう系も来ないはずである。っていうかAmazonってゆうパックで届くんだっけ。

 

 まあいいか。昔の自分から今の自分へのなんか贈り物だと思って気長に待ちましょう。

 これで送り主が自分でなかったらちょっと怖い。実家からなにか送られてくるという可能性はまあなくはないが、家族の性格的に予告なしで送ってくるということはなく、それこそ事前にひとことLINEでもしてくるはずだ。

 他に私の住所を知っている人間はそう多くない。いるにはいるがマトモな人間は少なく、「ナンプラー1年分」を着払いで送ってきたりしかねない。そうなれば私は予想外の出費に痛手を負わされるうえに、向こう1年間ガパオライスを作り続ける羽目になる。

 一方で、それはそれでまあネタとしては面白いな、と思っている自分もいる。普段どんだけ退屈なんだ。

 

 そして迎えた運命の日。部屋の呼び鈴が鳴る。ドアを開ける。配達員さんの手には思ったよりかなり大きめの箱。カジュアルに礼をいい、受け取る。よかった、着払いではないらしい。

 箱を開けてみると。

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結局レコードやないかい

 レコードでした。

 思い出したわ、聡子さんのアルバムを買うついでにいろいろ見ていて、スピッツの「おるたな」のVinylが9月に出るよーという情報を知り、注文したんだった。それが5月だか6月。忘れるわ。

 「昔の自分から今の自分への贈り物」などと言ってみたが、届いてみればそんな小洒落た話でもなく、単なる買い物だ。クレジットカードの引き落としは6月にしっかりされている。

 それでもスピッツの音楽は変わらず美しい。

 

遠く知らないから手紙届くよう ときめきを作れたらなあ

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